やさしさについて
いろんな人に僕は「やさしい」といわれる。
最近その「やさしい」ということがよくわからなくなってきている。
一応辞書的な意味は以下のようだ。
3 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。
5 身がやせ細るような思いである。ひけめを感じる。恥ずかしい。
7 殊勝である。けなげである。りっぱである。
姿・ようすはとても優美とは言い難い感じだ。ごつごつ系ずんぐりむっくりである。
思いやりがある これに関して、自分が思いやりがあるかどうかわからない。
ここ3年間で一番言われた否定の言葉に「思いやりがない」であった。
自分では相手のためを思ってやっているつもりだったのに、それが「自分のことしか考えていない、思いやりがない」といわれてしまうのだから、なにが思いやりなのかよくわからなくなってしまっている。
前にも少し書いたが、小学生時代の影響で僕は結構「人に嫌われないように」という思いで行動することが多い。
だから、基本的に人の希望には従うし、「こうしたい」と思うことはかなえようとすることを行動理念として持っていたように思う。周りがしたがらないような仕事、だれか犠牲になってやってくれと思う仕事はできるだけやるようにしてきた。人のこともあまり否定しないようにしてきた。
そんなことを続けてきた結果、周りの人から「やさしいね」といわれるようになってきた。
でもそれって本当に「やさしい」のだろうか。
根本的には僕は「嫌われたくない」という、非常に利己的な理由で動いているわけで、本当の意味で相手のことを思って行動しているわけではない。
本心では嫌だと思いながらもやっていたこともある。
それでも「やさしい」のだろうか。
「やさしい」と「都合がいい」は違う。全然違う。
周りの人にとってある意味「都合がいい」存在で、文句も言わずにやってくれるから、角が立たない言い方をして「やさしい」という表現をしているんじゃないか。
僕はそういう存在なんじゃないかと思う。
だから、あまり「やさしい」という言葉が自分を表す言葉として合っていないように感じる。
正確には「やさしい風」というような、そんな感じ。
ただ、本当のやさしさというのがどんなものなのかまだよくわかっていないけれど、最近はいろいろ経験して、「嫌われないように」と行動することだけが「やさしさ」ではないということは分かった。
「思いやり」も「やさしさ」の要素の一つだと思う。
自分の思う通りに行動してくれないから、あの人は「思いやりがない」というのはあまりにも安直だと思う。その人はその人なりに相手のことを考えて行動しているのかもしれない。それが結果相手の願った通りの行動じゃないとしても、その過程にある相手のことを考えて行動したこと自体が「思いやり」だと思っている。だって人がどう思うかなんてわからないし、この行動した結果相手がどう思うかなんてのは相手にしかわからないことだから。
ここ数年で、自分が人を思って行動したことが、その人にとっては望んでいた形ではなかったということを何度も経験してきた。そして「思いやりがない」と否定されたことも何度もあった。
だから僕は人がどういう行動によってどのような感情になるのか、どういう行動によって人は喜びを感じるのかということが知りたくて、心理学ということに興味を持った。
前に少し触れたが、心理学の勉強をしたいと思ったきっかけの一つである。
色々つらい思いもして、今までは自分のために「やさしい風」の態度で過ごしてきたけれど、最近は自分のことよりも、純粋に人に喜んでもらいたいという思いが強くなってきている。
いろんな人がいるということも知ったので、そういう人を否定しないように過ごしていきたいし、相手がどう思うかはわからないけど思いやりを持つことを忘れないようにしていきたい。心理学も勉強して、どんな時に人はどういう心理になりやすいかということも知っていきたいと思っている。
そういうことが名実ともにできるようになってから、本当に「やさしい」人になれるんじゃないかなと思っている。
まだまだ答えが出ないことではあるんだけれど、本当にやさしい人に近づきたいなと思ってこれからも試行錯誤して暮らしていたいと思う。
余談だが、先日友人がラインの返信を3、4日返してこなくて予定が立てられなかったとき、「すぐに返信しないとか相手の都合とか全然考えてないし失礼じゃないか!理解できない!」と憤慨してしまった。
もしかしたらその人は優先順位として大事なことや急ぎのことがあったのかもしれないし、体調が悪かったかもしれないし、仕事がめちゃめちゃ忙しくてそれどころじゃなかったのかもしれない。僕は無職だから暇だけど他の人は普通に働いているからいつでも対応できるわけじゃないのに自分の都合に相手を当てはめて憤慨してしまったわけだ。反省。まだまだやさしい人には程遠いです。
やさしい男になる道のりはなかなか険しい。