すべて終わったことについて

 

11月30日に静岡の家の退去が完了して、離婚に係るすべてが終わりました。

 

 

すべて終わり、スッキリした解放感のある感覚があるものだと思っていましたが、とても言葉にできない感情に苛まれて、なかなか心の整理ができませんでした。

2日たって少し落ち着いてきたので言葉にしようと思う。

 

僕は今回離婚したことについて一切の後悔も未練もありません。

本当に良かったことだと思っている。

 

ただ、どうしてもいろいろな記憶―思い出というほど綺麗なものではないのであえて記憶という―が強く残ってしまっていて、それにこの3か月ずっと悩まされている。

 

どこに行くにも何をするにも、この結婚生活の3年間の記憶が、あの時こういわれたとかあの時どこどこへ出かけたとかが思い出されてしまい、なかなか振り切れずにいる。

 

特に静岡という場所は、住んでいた家の付近は特に負のオーラというか、怨念のようなものが残っていて、近づくだけで苦しい気持ちになってしまう。

 

退去の日、立会時間が午前中だったので朝早く新幹線に乗って向かった。乗った新幹線が新型のN700Sで、ずっと乗りたいと思っていたので乗れて少し気分はよくなったが、それでも道中は憂鬱な気分であった。

 

立ち合いが終わり、おそらく最後になるだろうと思ったので、静岡の駅周辺を歩いてみた。でもどこに行くにも記憶が呼び起されてしまい、苦しくなることばかり。

あんなに好きだと思っていた街だったのに、こんな感情になってしまうのが悔しくてしょうがない。でも耐えられない。そう思ったので予定より早く新幹線に乗り静岡から離れた。

 

正直、もうしばらくは静岡県に近づくことはできない、したくない。そう思ってしまう。

 

被害者面するつもりはないが、正直それだけの傷が心にできてしまっている。

 

実家に帰ってきて割とすぐに、中高の恩師に会った。その時お世話になっていた先生が「3年間受けた心の傷が完治するのには、3年かかるらしいから焦る必要はないよ」と言ってくださった。

 

ここ3か月でいろんな方と会い、だいぶ自分を取り戻して元気になったつもりでいたけれど、先生の言うことはその通りなんだなと実感している。

 

たぶんしばらくはこの記憶に悩まされることと付き合っていかなければならないのだろう。

そういう覚悟が必要なんだなと感じた。

 

だから、事実としては家の退去も終わり静岡に行くことも手続することもすべて終わったわけだけれども、僕の心の中ではなかなか『終わった』という実感が持てないでいる。スッキリしないような気持ちがあるんだなと気づけた。

 

この嫌な記憶はしばらくはなくなることはないと思うので、うまく折り合いがつけられるようになったときに本当に「すべて終わった」と思えるのだろうな。

 

帰ってきたあのタイミングで、先生からあの言葉を頂けたことはすごく自分にとって助かった。それ以外にもこの3か月でいろんな人に会いそれぞれの言葉にすごく励まされている。こんなに助けてくれる人が周りにいることが本当にありがたい。感謝してもしきれないほどです。ありがとうございます。

 

今回の出来事を通じて、やはり経験として何か自分の糧にしなきゃいけないと思うし、それをしっかり言語化して今後に活かしていかなければならないと思っている。

 

まだまだ反省すべき、活かすべき点はあるのだろうけど、現時点で自己分析する限り前と変わったなと思うことが2つある。

 

1つは、今までより人のために動くという気持ちを持てるようになったこと。

正直結婚する前から、というより社会人になってから離婚するまで、自分のことでいっぱいいっぱいになっていて自己中心的な考えで過ごしてしまっていた。人のことを考える余裕なんて正直なかった。

それが、結婚生活がうまくいかなかった理由の一つでもあると思う。

でも、今はまあ仕事もやめて時間が増えたからというのもあるかもしれないが、困っている身近なひとの助けになれることをしたいと本心で思えるようになった。それこそが自分の充実感につながるということに気づけた。そういう思いを持てるようになったということが、個人的には少し成長できたのかなと思っている。

 

もう一つは、ほかの人がなかなか経験できないだろうことを経験して、自分の中では人生最大の地獄を味わって、周りの人に助けられながらもなんとか乗り越えつつあって、これほどにしんどい思いをすることはないだろうということから、少しだけ今まで自分に自信を持てるようになってきた。

もともと僕は自分に自信がない人間だ。特にここ数年は否定されることが多くどんどん自信はなくなるし、それに伴って無駄なプライドが表れてしまって、余計こじらせてしまうという状況が続いていた。

今も自信があるというわけではないけれど、今までよりはどんなことがあっても乗り越えられるような気持ちを持てているし、失うものもないので怯えることもなくなってきているように感じている。

 

こういう気持ちを持てるようになったので、今回の離婚について僕は後悔も未練もない。

 

でもこれで今回の件に蓋をして見ないようにしてはいけないと思うので、向き合って折り合いをつけて生きていくしかないのだなとも思っている。

 

これからが人生。頑張っていこう。

 

 

そして、一応形としてはすべて終わったので、無職でぼーっと過ごしていることにそろそろ言い訳ができなくなってきてしまうわけです。

給付制限期間が来週で終わるのでウーバーイーツを自由にできるのも来週までなので、そろそろ本腰入れて仕事を探していかなければならないわけで。

こういう現実に目を向けることから逃げてしまうのが悪い癖なので、自分に喝いれて頑張ります。