漫画『喰う寝るふたり住むふたり』について

『喰う寝るふたり住むふたり』という漫画をご存じだろうか。

 

 

 

日暮きのこ先生の漫画で、2012年4月~2014年12月まで月刊コミックゼノンで連載されていた(らしい)全5巻の漫画。

僕は大学時代にこの漫画をふと本屋で見かけて気になって読んでハマってしまい、何十回と読み返している。(一回ブックオフで売ってしまったので今は手元にはないが)

 

内容は高校時代から付き合っていて、10年同棲している29歳同士のカップルのラブコメディ。

面白いのは、一つのエピソードについて、彼女側の視点の物語と、彼氏側の視点の物語が交互に展開されている点。

 

「この時こういう行動をしたのは、こういうことがあったからなのか!」と後からわかったりして、その内容がなかなかほっこりするので個人的にとてもおススメの漫画だ。

 

その続編『喰う寝るふたり住むふたり続』が今年4月から連載開始され、その単行本1巻が出ていたので読んでみたのでその感想について少し書いてみたい。少しネタバレ的になるかもしれない。

 

 

 

帯に書いてあったのでこれは大丈夫だと思うのだが、前作で結果二人は10年の同棲の末結婚をする。

 

続編は結婚後5年たった二人の話だ。

いくつかテーマはあったが1巻の主なテーマは「不妊治療」

周りが子供ができたり、結婚すれば子供を作ってすんなり作れて、子育てをするのが普通と思われている世間と、自分たちが子供がなかなかできず「負け組」なんじゃないかと葛藤する。子供ができれば、自分は変われるかもしれない。そんな葛藤をする二人の関係が主に描かれている。

 

ネタバレだが、結果二人は子供は「諦める」という選択をする。それは前作でも出てきた「うちらはうちらだから」という考えのもと。というのが1巻の大まかな話。

 

これを読んで僕はいろんな思いがめぐってかなりグッと来てしまった。

 

元妻との結婚生活は3年だったが、子供はいなかった。

僕は、本当は子供が欲しかった。元妻も本当は欲しかったのだろう。

だが、いろんなことがあった上で、自分が未熟だったというのもあるのだろうが激昂する元妻からこういわれたことがある。

 

「お前みたいなクズに子供が育てられるわけがない。子供がお前みたいになったらかわいそう。お前の遺伝子を残したくないから子供は作らない。」

 

この言葉があまりにショックだったので、なぜこのようなことを言われたのか、その後どういうことになったのかは覚えていない。

 

忘れようと思っていたけど、あまりに衝撃的なことだったのでたぶんこの先も忘れるのは難しいかもしれない。

 

僕は子供は結構好きだ。今でも兄が姪っ子甥っ子を連れて遊びに来ると一緒に遊んでるし、自分の子供もいずれ欲しいなと思っている。

正直自分が親になれるかという具体的なイメージはできないし、立派な親になれる自信もないが、それでも自分の子供が欲しい。

 

でも前の結婚生活ではそれはかなわなかった。「諦めた」。

もちろん周りの友人たちは結婚して子供ができて育ててと普通にしている人たちが結構いる。そういう人たちをSNSでみたりすると、やはり羨ましい気持ちがすごくあった。

 

自分が負け組な気もしていた。羨ましさが嫉妬に変わってしまうこともあった。

最後はそれこそ「うちらはうちら」という気持ちで折り合いをつけた。

 

離婚が成立して1か月ちょっとが経ち、またこれからのことを考え、まだ先のことだけどやっぱり結婚して子供が欲しいなと改めて思った。

 

でも、元妻から言われた言葉を思い出してしまった。

自分は子供を育てられるほどの人間なのか。そもそも遺伝子残したくないと言われるほど人間としてクズなのか。なんでそんなこと言われてしまったのか。離婚したからって自分の性格は変わったのか。本質的には変わってないのじゃないか。

 

そんなことを考えて非常にナーバスな気持ちになってしまった。

 

仕事をするために今までの人生を振り返って、それなりに自分の強みとか自分のことを考えて自分に自信を持っていたけれど、やっぱりそんなできた人間ではないと思えて来てしまっている。

 

当時はある意味洗脳状態だったから、言われたことすべてが本当のことじゃない、今はそれが解けていると思っていたのだけれども。3年間受け続けた傷はそんなに早く治らないみたいだ。

 

近いうちに、結婚生活のことをしっかり振り返った方がいいかもしれない。

何が良くて何が悪かったのか。自分が変えていくべきことは何か。

少し見えていることはあるけど、ダメだった部分は直視できていないのでしんどいけどちゃんと考えた方がよいと思っている。

 

とはいえ、漫画は面白いのでぜひ読んでいただきたい。

 

 

余談だが今日は大学のころの憧れの女性先輩とこの後飲みに行くことになっているので、マイナスなことは書いて頭クリアにして楽しみたいと思い、こんな記事を書きました。

 

それでは楽しんでくるぞ!